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矢倉の歴史を語る一冊
良質な棋書の多い、河出書房新社からの一冊。
加藤流（『東大将棋矢倉道場』風に言えば矢倉３七銀戦法）を中心に、矢倉の序盤の駒組み、棒銀などの後手急戦、郷田流、３五歩早仕掛けなどについて解説されている。ただ、現在の主流である矢倉４六銀戦法の解説については、続編である『現代矢倉の闘い』に譲っている。

これらの戦型を取り扱った類書としては、『羽生の頭脳５・６巻』と『東大将棋矢倉道場３・４巻』がある。時系列で言えば、本書は、前者と後者との中間に位置している。ちょうど、森内流が登場し、やや後手矢倉が見直されだした時期でもある。この本や『現代矢倉の闘い』の主要テーマの一つに森内流が取り上げられているのもうなずける。『羽生の頭脳』同様、矢倉の本では比較的読みやすい一冊といえる。

この本一冊からでも、矢倉の基本的な定跡・考え方をある程度習得することは可能であるが、続編である『現代矢倉の闘い』や、『羽生の頭脳』および『東大将棋矢倉道場』とあわせて読めば、ここ１０年間の矢倉の定跡の変遷を概観することができるだろう。
まず踏破を目指す。
矢倉定跡のほぼ全域が網羅されています。 全体像を眺めてみたい人が読むべき本。 基礎にして自分で研究を進めていきやすい一冊です。

大道詰将棋の集大成
大道詰将棋に関する本は、いままであまり出回っていませんでした。
確かに、これを商売にしている人にとっては、文字通り「飯のタネ」
なのですから、ネタをばらすような本が出回ることはなかったの
でしょう。しかし、そうした商売をする人が減ったからなのかは
わかりませんが、この本では総数５１８題もの作品が紹介されて

います。これは、まさに空前絶後の出来事！
単純に楽しむために、将棋の奥深さを勉強するために、ちょっと
値段の高い本ですが、手元に置いてみてはいかがでしょうか。