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さまざまな名勝負がみどころ
名棋士谷川浩司の年度別自戦記第三弾。

谷川が史上４人目の四冠王に輝いた、南王将（当時）との王将戦（第７３局）や、将棋史上あまりにも有名な大山１５世名人との第５０期Ａ級順位（第７４局）戦の一戦が堪能できる。収録されている戦型は相居飛車（矢倉・角換り）が多く、振り飛車の将棋が見たい方にはおすすめできないかもしれない。ただ、特に対大山戦は将棋ファンなら必見の価値があると思われるので、余裕があれば購読を検討してみるのもいいだろう。

いにしえの碁の再考
　値段が高い。棋譜は多いが、解説は少ない。級位者が並べやすい打ち碁集
ではない。その点で評価を厳しくした。最も、因碩や囲碁の歴史に興味のある
方、インテリアとしてこの本がほしいという方は例外。それならぜひお薦め
する。

　プロアマを問わず、張栩流布石がはやっている。２手目、３手目ですぐに
カカル作戦である。我らアマチュアからみたら、
「なんて無茶苦茶な戦いをするんだ」
　と思うが、実は、
　『石の方向性』に重点が置かれているという。そういえば江戸時代初期の
碁は張栩流に似ているし、また、
「当時の囲碁は方向性が素晴らしいので、アマチュアの皆さんも学ばれる
とよい」
　と、呉清源先生もおっしゃっていた。
　古名人の打碁を並べることは有益であるが、これまで通り何度も何度も
無心で並べていればいいという考え方は物足りない。布石の方向性にも
注目した解説も載せてほしい。編集スタッフや執筆者に対する私の希望
である。

ぜひ一冊
４００年前の碁聖、本因坊道策の現存する全棋譜が、一冊にまとめられている。道策の打碁そのものが、難解な上に、解説を最小限に押さえてあるので、有段者以上の棋力は必要。棋譜は大きく、印刷も鮮明で読みやすい。年代順では無く、対局者でまとめてある。碁の内容は現在でも古びることのない最高のレベルにあり、もちろん、最高の打碁集の一冊。
旧全集と少し異同があります
平成３年に出版された道策全集、私は持っていませんが、それと比べて少し違いがあるようです。153局、局数は同じです。旧全集を持っている人は買う必要がないように思うかもしれません。しかし手順を校訂したところがあるようです。

古い棋譜の場合、写譜がいくつもあって手順が確定できない場合があります。２つの棋譜があるときに、どちらが正しいか、それを決めることは編集者、著者の腕の見せどころでもあります。「碁神道策」がそれに成功しているかどうかは私にはわかりませんが、棋譜マニアはたとえ「道策全集」を持っていても買いたいところです。

解説は手短です。著者いわく「やや高級碁人向けの「道策鑑賞読本」の趣旨で、最小限の注釈に留めました」とのことです。わかるよりも、棋譜を並べて何か感じてください、といったことでしょうか
基本的に棋譜は100手ごとに分かれていますが、50手ごとに分かれているものもあります。見やすいです。

将棋高段者向けの本
将棋を習いたての人が買ったら面食らうかも。この本で強くなりたいとか、将棋のことを知りたいとか思わない方が良いです。将棋初心者には他にもっと良い本があります。しかし、将棋を研究したい、一般の定跡書をもっと追求したいという人には待望の一冊と思います。これだけの情報が6000円ちょっとで手に入るというのは信じられない安さです。この本を末永く愛用できることは保証できます。検索機能以外にも、20局/日並べて30年以上楽しめるのだから。
パソコン将棋ソフトの新しい形
今までのパソコンソフトといえば、ＣＰＵとの対局が主だったが、
それらとはまったく違うコンセプトのソフト。
これは将棋倶楽部２４で指された会員の棋譜２４万局を集め収録し、
棋譜鑑賞、同一局面での勝率などを簡単にできるようにしたもの。
棋泉forWinという棋譜管理ソフトに、２４万局を自動的にダウンロード
してくれる。

高段の観戦の好きな方、色々な戦法の勝率を調べて見たい方、
自分の指す戦法の研究をしたい方にはお勧めできる。
ただ、個人的には２４万局も必要なく、高段５万局の
コンパクトサイズしか使っていない。
また、力戦調が好きな方にはおすすめできるかわからない。
新しい将棋の楽しみ方、上達法の可能性を示したソフトです。